日赤「みんなのたび」代表ら台湾観光協会を訪問 

文・写真/柳本通彦

日本赤十字社のボランティアグループ「みんなのたび」の事務局メンバーが、先月、台湾を訪れた。「みんなのたび」は、障害を持った人も持たない人も、ともに旅を楽しむことによって心のバリアフリーをめざすことを目的に活動している。今回は、今秋あるいは来年初頭に、台湾への旅行を実現させたいと、当地の状況視察に訪れたものである。

 

視察団は、代表の中沢信(なかざわまこと)さんをはじめ、高木勝幹さん、田中恵美子さんら会の事務局メンバーで、台湾が初めてという人もいた。一行は、台湾観光協会、台湾ボランティア協会、日本アジア航空台湾支社などを訪問して、旅行の可能性や問題点について意見を交換するとともに、実際に台北市内を歩いて、街の様子を実体験した。

 

4月21日午後には、台湾観光協会を訪れ、蔡東海会長特別補佐らと懇談し、地元新聞記者らの取材を受けた。「みんなのたび」は、長野パラリンピック見学ツアーへの参加を契機に1998年4月に結成され、以来日本国内各地を旅行し、今年の2月には韓国を2泊3日で訪れている。

 

中沢代表によれば、障害者の旅行といっても、特別扱いは要らない。みんなが行きたいと思っているところへ行ってみるというのが会の主旨とのこと。参加者は障害者に限定せず、同行の健常者も原則的にボランティアではないというのが、通 例の障害者ツアーとは違うところである。

 

中沢さん自身も生来の障害をもっており、思い切ってアメリカへ旅行したことが、こうした運動を思いつくきっかけになったという。政府に要求するばかりでなく、ちょっとした周りの気遣いで、お年寄りも含めて身体の不自由な人たちがもっと外へ出られるようになる。障害のあるなしを越えて自然に人と人が助け合える社会をつくるために、こうした旅行がお役に立てばと話している。

 

台湾への旅行はシドニーオリンピック参加ツアーが終了したあと、ひと組20人ずつ、当面 5組の派遣を目指している。

 

ちなみに韓国は「ソウル食い倒れツアー」と題して、2泊3日4万5千円前後で大成功だったとのこと。
☆「みんなのたび」台湾・台北「食と文化を満喫するツアー」(仮題)
事務局:東京03-3997-3944中沢方
旅行社:台北保保旅行社公関室